『あひるの空』というマンガのタイトルに関する疑問
最近素人なりにバスケをしっかり学んでからNBA観戦しようとバスケ関連書籍を読んでいて、とあるバスケ用語について気になったことがありました。
ダックイン
マガジンのバスケマンガ、「あひるの空」1巻で主人公である車谷空が「ダックイン」という技を使っている描写があります。ダックインというのは作中の説明では
体を限界まで低くしてディフェンスを抜く技
アヒルが水にもぐり頭を出すまでの動作に似ているのでこう呼ばれます。
とあり低い姿勢のドリブルだと説明されています。この主人公は身長は150cm程度なので最初はダックインからのレイアップで得点をするのですが、長身のディフェンスにインサイドを固められ思うように得点できなくなります。しかし最初のダックインはただのフリで、外に逃げて3Pシュートを決める、そして空が大ゴマでキメ台詞を一言。
「これが――僕の翼です。」
ダックインをする車谷空を「低身長」=「飛べない鳥」=「あひる」とかけていて、そのハンデを覆す武器となる3ポイントシュートを「空を飛ぶための翼」と表現しており、作品にタイトルに結びつく非常に象徴的なシーンです。
初めてこの作品を読んだときは、「あひる」と「ダックイン」という技名をかけた非常に上手い表現だなぁと感心していました……しかし
どうもこの「ダックイン」が誤用ではないかという疑念が出てきました。バスケ関係の書籍を読んでると、「低い姿勢でドリブル突破すること」……とは一切書かれてない。ディフェンスの前に出てパスが受けやすいようにポジションをとる結構地味〜なムーブなんですよね。海外のサイトを調べても同様のことが書かれていました。
0:25からの「Getting postposition」で説明してる動きがいわゆる「ダックイン」になるようです。まあ、スラムダンクで言えば赤木がするようなプレーのことですね。低身長どころか、むしろ長身プレーヤーが使う技だったということです。
ってことで、つまりアレ、全然上手い表現じゃなかった〜!?(ガビーン) タイトルとも関係してくる技なのにその技名が間違ってるってことになるのかなぁと。
ただ、少し気になることもあって、最近アニメ化もされた「ロウきゅーぶ!」というミニバスを扱ったライトノベルでもヒロインである智花が「ダックイン(切り込み!:ルビ)」するシーンがあり、主人公が「まったく大したドリブル技術だ」と評している。もしかして、日本に間違って広まっているのでしょうか?それがあひるの空の影響によるものなのか……非常に気になっています。誰かこの辺のバスケ事情に詳しい人教えて!w
これってもしかして……
ダックインについて調べていたらこんなページが……。
ダックインを練習したい…|クリニックQ&A|JXバスケットボールクリニック
バスケ専門家に対してダックインを練習したいって質問があるんですが、これ、多分あひるの空を見た中学生が「あんなドリブルしてみたい!」ってことで質問したんじゃ……。中学生がこんな「渋い」質問するっていうのはちょっとw
ダックインというのは通常、ローポスト付近でディフェンスを背にするために一度ブラインドサイドにジャブステップ(フェイク)して、ディフェンスを背中で抑える動きのことですが、それについてのアドバイスということでお答えします。もし違っている場合は再度質問してください。
やっぱマンガの影響ってすげぇな……。ちなみにダックインって検索をかけるとかなりの確率であひるの空式ダックインのことを指してる文章に当たります。
追記
そういえば車谷空が放った3ポイントシュートを見た登場人物が「まるでお手本のようなドロップショット」って言ってるんですけど、「ドロップショット」って聞いたことがない表現なんですよね…。ティアドロップっていうブロックをかわすループシュートはありますけれども。