今更ながら『ゼロの使い魔』を読んでみた
凄く読みやすい
今更ながらゼロの使い魔を読んでみました。1巻はちょこっと面白かったです。でも凄く淡白な文章ですね。そこらへんはギャルゲー、ノベルゲーっぽいというとなんとなく納得できるかもしれません。会話だけで物語が進んでいく感じでした。
- 細かい描写をすっ飛ばして読者の妄想にゆだねるというスタンス?
- イラストもあるからこれで萌えてくれという
- したがって活字アレルギーの人には優しい
- 小説を読まない人、ラノベ初心者でも読める
- 中学生くらいをターゲットにした「ちょっとエッチな児童文学」って感じ
読むスピードが普段の倍くらいなんですよ。「ええ!?もうこんなの読んだのか!」みたいな。漫画的に読めてしまう。
ちょっと気になったこと
小説の視点となる人物を決めたら、その人物が心の中で思ったこと、
タブー、これをやってはいけない!ライトノベル作法研究所
目で見たこと以外は書いてはいけません。
で、漫画的で思い出したんですけど、この作品、視点がバリバリ移動してるのが気になりました。『才人は〜と思った。』みたいな文章の後に『ルイズは〜と思った。』が出てくるような感じです。ええぇぇえ!?こんなアクロバティックな小説ってあり?才人の視点からルイズがツンツンする態度を見て、『ルイズがこう思ってるんだろうなぁ』と想像してニヤニヤするっていうのが一般的なのスタイルじゃないの!? 今まで読んだラノベは主人公視点の作品ばかりだったので面食らいました。
最後は、神の視点です。
小説の人称と視点
全ての人物の心理描写ができます。
読者を混乱させないよう心理描写を書き分けるのは、かなり難しいです。
戦記物や群衆劇などに使われるのでしょうか。
で2巻を読んでみて、何でこんな書き方なのか理解できました。2巻から冒険モノのような空間的広がりを持った展開を見せるので、登場キャラクターがバラバラに行動します。悪役も各地で悪さをしています。したがって、俯瞰的かつ内面も描く神の視点を採用しているということのようなのです。一人称と三人称のごちゃまぜだと思っていたけど、そういう書き方もあるってことですね。特殊な例だと思いますけど。
2巻はまあまあ面白かったです。なんとなく先が読めてしまうのですが、それでも最後は手に汗握る展開でした。2巻だけ見るとワンピースっぽい印象です(アラバスタ編みたいな感じ)。
…あ、アニメ版はほとんど見てません。なんか小説版とは展開が違うって聞いたんだけどどうなんでしょうか?
【追記】あと、キャラクター全員の心境に言及することで、敷居を下げている感はありますね。すべてをわかりやすく書き(イラストを含め)、「行間を読む」などといったことはあまり要求しないという。それが対象年齢の低さを印象付けているんだろうなぁ、と。