今更ドラクエ9のすれちがい通信をしてみて「ゲームにハマる」ということについて色々と考えてみた。

ドラゴンクエスト9のすれちがい通信がギネスになったようです。

ちょうどいい機会なのですれちがい通信について色々書いてみる。



私はアルティメットヒッツ発売後にプレーしはじめた後発組なんですが、すでにプレー時間が300時間に達そうとしています。これだけゲームにハマったのは久しぶりでしたが、同時に何でこんなにハマってるんだろう?そもそもゲームにハマるって何なんだろうということを考えるようになりました。以下、自分なりに考えたすれちがい通信とハマるゲーム構造、またそれによってもたらされたものについて書いてみます。


価値観の拡張と共有

周りのプレーヤーへの対抗意識や価値観の共有がゲームのハマり度を深化させる…そんな経験があるはずです。

    • 友達より先にクリアするとか、対戦ゲーで勝ちたいがために練習し続けるとか。
    • ゲームの内容について友達と語たっているうちに、もっとゲームにのめりこんでしまうとか。


ゲームはある価値観(ルール)に基づいて勝敗や優越が決まりますが、それはゲームの中でしか通用しないものです。ゲームの中でいくら強くなってもゲームの外では意味を成さない、誰も価値を認めてくれない。だからプレーヤーは現実の世界へと価値観の拡張を図ろうとします。同じ価値観を認めてくれる人=同じゲームをしている人を探し始めるわけです。


で、まず思いつくのがインターネットで同士を集めるというものです。特にそのままゲームと結びついたネットゲームはハマり過ぎる廃人を生み出すまでに至っています。これはやはり、常に同じ価値観を持った人の存在を意識できるからなんだと思います。やっぱり自分の周りがNPC(ノンプレーヤーキャラクター)だけじゃプレーし続けられないと思うんですよ。「現実世界のプレーヤー」からの価値観の補強が必要だと思うのです。


すれちがい通信に交換しているものは「宝の地図」だけじゃない

さて、ここからドラクエ9の話になるんですが、プレーしてまず思ったのがとにかく「これ見よがしに見せ付ける要素」がいっぱい入っているなということです。数々のレアアイテム、様々な称号、宝の地図、着せ替え要素。規格外の強さの大魔王、毎週配信されるクエスト、プレー時間、各種コンプ率の数値化、可視化……そしてそれらの情報が交換されるすれ違い通信。私もしばらくプレーしてこんなことがありました。

私「う〜ん、ついにプレー時間100時間越えてしまった…このまま続けていいのかな、俺…(-_-) 」
すれちがった人「プレー時間1100時間」
私「 …………いいんです!(゜∀゜)」(カビラ風に)


実は、宝の地図を交換だけじゃなくこんな風に他のプレーヤーのプレー状況がうかがえるのは面白かったりすのです。すれちがう人たち凄い装備してるのを見ると羨ましかったし、コンプ率が凄い数字のプレーヤーを見て自分ももっとがんばらなきゃと思う……これはなかなかいい仕掛けだとおもいましたね。


P1010465

すれちがってくれた皆様ありがとう。


ドラクエ9と拡張現実

拡張現実(かくちょうげんじつ)とは現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを示す。英語表記はAugmented Reality 、省略形はAR。

拡張現実 - Wikipedia

まったく見ず知らずの人と街中ですれちがい、データのやり取りを通じて価値観の共有ができる……これはネット上で情報交換する、あるいはネトゲをプレーするのとはまた違った面白さがありました。そして、ドラクエ9の世界観を利用した設定がまた上手くできているんです。宝の地図を持って旅をしている冒険者を宿屋に呼び込む……というのがすれちがい通信の基本的な設定なんですが、その設定をふまえてすれちがい通信をすると、すれちがう人たちがドラクエ9の世界の冒険者見えてしまうのです。そして、まるでゲームの世界が現実に拡張され、ドラクエの世界を冒険しているような錯覚に陥ってしまいました。


先ほども述べたとおり、ゲームプレーヤーは常に価値観の拡張をしようと行動しています。ドラクエ9ではそれをすれちがい通信によって行われるわけですが、各プレーヤーが現実世界へ価値観の拡張をしていった結果、今私が歩いている街の別レイヤーに、ドラクエの世界が構築されている……そんな感覚を受けて、ちょっと興奮してしまいましたね。


セカイカメラをはじめ、位置ゲー、最近話題になったラブプラス+のご当地ラブプラスなど、ゲームを現実世界に拡張させるものが流行りつつありますが、いずれ本当に現実世界でRPGができてしまうようなゲームも出てくるかもしれませんね……。是非将来のドラクエでお願いしますw

ドラクエはインフラ

……ということで、ドラクエ9はネットを介していないけども、ネトゲと同じようなコンセプトで、しかもそれを現実世界で行ってしまうところがユニークだという話でした。ところで、さすがにもうすぐ発売1年で下火になっているとはいえ、いまだに地方都市でもすれちがいできるというのが凄いですね。「ニンテンドウDS(最も普及しているゲーム機)+ドラクエ(最も支持されるRPG)はネットワークインフラになりえる」のではないかと思ってしまったほどです、ちょっと言いすぎですがw ただ、出荷数420万って日本人口のおよそ1/30ですもんね……。


……しかし、個人的にはドラクエは携帯ゲーム機で出すならDSよりハイスペックなPSPで出して欲しい!という願望もあります。すぎやまこういちさんの音楽が売りのひとつなのに音質が酷過ぎるから!でも、ドラクエ9に関してはコンセプトに最も合致したハードであったのは誰の目にも明らかですね。もしかしたら、今後FFがナンバリングタイトルでネトゲを出すみたいに、据え置き→DS(すれちがい通信)→据え置きっていうふうに展開されたら面白いなと思ってるのですが、どうでしょうか?


ちなみにどれくらいハマっていたか

P1010460

ドラゴンクエスト9はまごうことなき廃人仕様でした……。


追記 ドラクエ9+拡張現実でぐぐったら……

同じことを考えてる方がいた。やっぱり周回遅れの感想だったかー(^^;) ドラクエ9は散々ネットで叩かれてたけど、本当に面白いことしていて、そこらへんは評価すべきだと思います。